野生動物の中では群れからはぐれた個体を探して
再び群れに迎え入れるといった行動が度々見られると言う。

しかし”群れ”が”組織”に変わると話は時に真逆になる。

ペンギンはある事故から群れからはぐれ、この街に迷い込んできた。
帰り道を探しながら迷走し・戦い、倒れた。

一方組織を成すペンギンの群れからすると、これを脱走と捉えていた。
海底の世界で戦いに明け暮れる海賊は、裏切り者を許さない。


裏切り者には死を


組織の掟といったところだ。

「やつら必ず海に出ようとするはずだ。しかしあのまま太平洋を渡るなんざ無茶なこたぁしねぇだろ。
多分なにものかと合流するのに一旦丘に上がるはずだ」

こぞぅは助手席でペンギンが捨てて行った傘状の武器を修理している。

その時、尋橘のカンは的中した。
ビーコンは東京湾に出る手前で陸にそれたのだ。