案の定こぶたはレベル1トラップをぎりぎりで突破し たようだ。おそらくレベル2以降のトラップも命からがらかわし続けるだろう。

しかしそれこそがこぶたの精神的・体力的な消耗と、街の袋小路へ追い込むための非情な“罠”なのである。

こぶたはどうせこの街から出られない。この街は昼夜なく人の多い繁華街と、無数の車が往来する2本の国道に囲まれている。つまりこぶたにとっては猛獣が走 り回る平原に飛び出すようなものだ。
そしてこの街の地形をこぞぅは熟知している。すでに包囲網は出来上がっているわけだ。

空腹ながら、こぞぅの顔に薄笑みがこぼれる