絶対的なボスであり最凶の怪物であるシャチを倒した、こぞぅ・尋橘、そして異世界での冒険で強く成長したペンギン。

ペンギンの群れは彼らを新たなボスとして迎える事にした。・・・ようであったが
こぞぅと尋橘にはいささか迷惑な話である。

ペンギン達と一緒に海を渡るわけにもいかず、さりとて街でこの数のおかしなペンギンにウロウロされるのもかなわない。

「お別れだな。
・・・でもよお前らホント、どうやって海渡っていくんだよ?」

すると海辺から巨大な建造物のようなものがせり上がってきた。

「おいおい今度はなんだよ!」

尋橘が目を丸くすると、その眼前に現れたのは
ザトウクジラの背中に乗った白亜の古城だった。

その後にはぐったりとしたシャチが横たわっている。

マストに帆が張られると、ペンギン達は続々とクジラの背中に乗り移っていく。
そして陸地に残ったこぞぅと尋橘に向かって一列に並ぶと
そのまま微動だにせず。海中に消えていった。

「行ったな。
しかしああやって似たようなのに並ばれると、どれがあのペンギン野郎かわからねぇよなぁ。
・・・・ま、あのボロボロ泣いてたやつなんだろうけどよ」

辺りはすっかり日が暮れていた。
それぞれが、自分の居場所と日常に帰って行く。