男は叫び声を上げると、地べたにうつぶせになり自販機の下に腕を突っ込んだ。
しかし100円玉はかなり奥に行ってしまった上に、暗くてよく見えない。

「おいおいそりゃね〜だろ。人のなけなしの金ただでふんだくろってのかよ!!
なぁ、頼むよ相棒。ちょっとそこどいてくれよ〜。」

男は自販機の前でジタバタしながら騒いでいた。すると男の肩を背後からたたく者が居る。
振り向くと小さな子供らしき者が男に傘を差しだしていた。



満月のあかりが眩しい程、雲一つない夜である。